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むち打ち症の歴史と社会問題

2013年03月20日

 

みなさんこんにちは!


このブログでもよく「むち打ち症」という言葉が出てきますが、今日はそんな「むち打ち症」の歴史についてお話ししたいと思います。


 


むち打ち症、その正式名称は?


「外傷性頚部症候群」と言います。


ずいぶんと正式名称から離れていますね…。


 


なぜ、むち打ち症という名前になったの?


「むち打ち症」という名称は、そもそもこの症状の原因となる首の動きに由来すると言われています。


しかも、この「むち打ち症」という名称で呼ばれ始めたのは、1941年頃の第一次世界大戦までさかのぼるようです。


当時、戦闘機に乗り込むパイロットたちの中から、搭乗後に頚部痛、上肢の痺れ、感覚麻痺、頭痛、吐き気、耳鳴りといった症状を訴えるものが続出したのです。


原因は、滑走路の短い戦艦からカタパルトを利用して飛行機が急発進する時の加速と着陸時のアレスティング・フックによる急減速によって起こる首への強い衝撃でした。その時の首が過屈折・過屈伸する状態が、「ムチのようにしなり打つ(Whiplash)動きに似ているということから、1928年、アメリカの医学者HEクローによって「Whiplash injury
of the neck
」と名付けられたのが始まりと言われています。


 


日本でむち打ち症が注目されるようになったのは…?


日本でこうした症状に悩まされる人が増えてきたのは、その少し後の1955年後半から1973年代の高度経済成長の頃です。欧米に続いて自動車産業が盛んになり、多くの人が車を所有するようになりました。しかし、自動車の運転に慣れていなかったため、自動車事故が続出し、「むち打ち症」になる人が急増していったのです。


こうした症状を1957年、東北大学の飯野三郎教授が「鞭はたき損傷」と発表したことが最初であると記録されています。


当時は「鞭はたき損傷」を、後遺障害が残る不治の病としてマスコミたちがはやし立て、社会問題になったほどです。


 


むち打ち症には、こんな歴史があったんですね…。


 


参考文献 柳澤正和『むち打ち症(外傷性頚椎捻挫)が良くなる7つの鍵』(2011,14-15 ミスパートナー